急性冠症候群(ACS)という呼び名は独立した疾患名ではなく臨床的には不安定狭心症、急性心筋梗塞、心臓突然死などを指します。
心臓の筋肉(心筋)に酸素と栄養を供給している冠動脈がありますがそこにできたプラークと呼ばれるコレステロールのつまった瘤(こぶ)のようなものが破れることが急性冠症候群の原因です。
プラークは血中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が血管の壁の中に入り込むためにできると考えられています。
急性冠症候群はそのブラークが破れたり不安定になると心臓が必要とする血液量が得られないため心筋が酸素不足となり結果として胸痛などの症状が引き起こされてしまう心臓障害のことです。
このことからプラークを破れにくくすれば急性冠症候群の発症を予防できる可能性がでてきます。
ただこのような事態になる前に予防した方がよいのではないでしょうか。
近年の食生活の欧米化で「急性心筋梗塞」「不安定狭心症」などの急性冠症候群の患者が日本においても増加していることに注目できます。
これは、この食生活が冠危険因子と深いかかわりがあるためです。
冠危険因子とは冠動脈疾患の発症、進展に関与している因子のことです。
この因子には高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満、喫煙、ストレスなどがあります。
この冠危険因子の数が多い人ほど急性冠症候群にかかりやすいといわれています。
このうち高血圧、高脂血症、糖尿病は生活習慣病の代表ですがこの生活習慣病の人に急性冠症候群をおこす不安定化プラークが血管に存在する可能性があるのです。
不安定プラークの破裂で急性冠症候群は発症しますのでその予防の初期段階としては生活習慣を予防してこのプラークを作らないことなのです。
ですから近年の食生活の欧米化がもたらす生活習慣病予防のため食習慣に気をつけましょう。
ただ残念なことに不安定化プラークが見つかった場合にはどうしたらよいのでしょうか。
もう手遅れだから食習慣の改善もあきらめるでしょうか。
心配しなくてもスタチンという新しい新薬ができたみたいです。
ですから食習慣の改善にあわせると効果があるに違いありません。
そこで次はこのスタチンについてご紹介したいと思います。
このスタチンの急性冠症候群に対する有効性が明らかになったと米国のメタ分析結果が発表されています。
既存のメタ分析では死亡率などを改善しないという結果が出ていましたが長期の追跡で有効性が明らかになったという研究成果です。
急性冠症候群で当初からスタチン投与を始めた場合、長期死亡率や不安定狭心症の発症率などが減ることが7つの臨床試験のメタ分析で明らかになったとのことです。
長期に少しずつ効いて悪玉コレステロール傷を改善する新薬のようです。
その証拠に、これまで急性冠症候群へのスタチン投与でのメタ分析結果の追跡期間は4カ月までと正しい結果が出るためには非常に短く死亡率などは減少しないとする結果が出ていました。
しかし追跡期間を最低6カ月平均で22.9カ月と長くしたところスタチンの有効性が証明されています。
このことは米クリーブランド・クリニックのAnthony A.
Bavry氏が11月14日の一般口演で発表したことです。
この新薬のおかげでたとえプラークが血管に見つかっても希望が持てることで前向きに食習慣にも取り組めるのではないでしょうか。